このガイドは、企業が日本・韓国の浮体式洋上風力発電所の開発に関わる要素とプロセス、およびこの分野における英国企業の経験についての理解を深めるのに役立てられることを目的としています。
浮体式洋上風力発電産業は開発の初期段階にあり、世界中で設置されているのはごく少数の実証プロジェクトのみです。 しかし、2030 年末までに 6 〜 10 GW の設備容量に達すると予測されており、大幅な成長が見込まれています。
取り組むべき課題はまだ数多くあります。例えば:
- 開発: 浮体式洋上風力発電所が海底やその他の海域利用者に与える影響は着床式洋上風力発電所とは異なるため、及ぼす影響を軽減する方法
- 設計: 未解決の技術的課題 を解決する方法、特に浮体式基礎構造物、係留装置、ダイナミックケーブルシステムに関して、設計、試験、そしてそこから得られた知見を設計に迅速に反映させるサイクルを加速させ、浮体式洋上風力発電に最適な設計基準を確立する方法
- 製造: 現在の業界の成熟度を踏まえて、簡素化・標準化による経済、規模の経済を実現する方法
- 洋上事業: 着床式洋上風力発電所とは大きな違いがあるため、洋上設置、運用・保守管理 (O&M) における新しい効率的かつ効果的な作業方法を確立する方法
- 資金調達: プロジェクトの資金調達コストを削減するために、投資家、融資機関、保険会社に業績とリスクレベルに関して安心感を与える方法
着床式洋上風力発電の例では、同様の課題を乗り越えて大きな進歩を達成しており、浮体式洋上風力発電でも、それらの課題を克服できると確信できます。
このガイドでは、わかりやすいように、浮体式基礎構造物での単一設計についてのみを参照しています。これは、3 カラムの鋼製の半潜水 (セミサブ) 型基礎構造物です。 これが選ばれたのは、すでに二つの実証段階の浮体式洋上風力発電所で実証されており、他の多くの場所でも広く利用できる可能性があるためです。将来の最善の解決策として選択していない点にご留意ください
このガイドでは、説明とコスト見積の根拠となる、一連の参照パラメーターも使用しています。これらには、タービン出力、風力発電所出力、最終投資決定 (FID) の日付、および商業運転開始日 (COD) が含まれます。これらについてはセクション 1.3 で詳しく説明します。
該当する場合は、風力発電所の各要素について、以下を取り上げます:
- 機能:コンポーネントまたはサービスの機能。
- 費用:以降のセクションで説明するパラメーターを使用して、プロジェクトの標準的な価格を提供します。特定のタイミングや地域の問題、為替レート、競争、契約条件により、各要素において価格に違いが出ることを認識しています。大型部品の価格には、サプライヤーに最も近い港への配送と保証費用が含まれます。開発者費用 (社内のプロジェクトおよび建設管理、保険、通常支出される予期せぬ事態に対応するために使われる予備費および諸経費を含む) は最上位の項目に含まれていますが、明細は示されていません。したがって、下位レベルのボックスのコストの合計は、多くの場合、最上位レベルのボックスのコスト合計よりも低くなります。コストを、25 ~ 30 年のプロジェクト寿命、50% 強の設備利用率、加重平均資本コスト (WACC) と合わせると、浮体式プロジェクトの開発業者が予想する入札価格と同等です
- サプライヤー (例のみ): サプライヤーのリストは網羅的ではなく参考用です。この分野を支援する技能を備えた日本・韓国企業と、日本・韓国のプロジェクト支援能力において実績があり、専門知識を持つ英国企業の両方が含まれます。ガイドでは概して、将来的な能力が見込まれるサプライヤーは掲載していません。また、掲載漏れがあったとしても、その企業の能力に対する何らかの判断を示すものではありません。
- 基本情報:該当する場合は寸法や材料を含む説明、またはサービスの提供内容、他の要素との関連性、その他の関連情報。
- 内容:ガイドの他の箇所で説明されているサブコンポーネント/サービス、または様々な業界で使用されている標準コンポーネント/材料/プロセスを一覧表示します。
業界特有の用語や技術用語や略語が多数使われていることを踏まえ、用語集を用意しました。